介護職と看護師がぶつかる!?介護施設での役割分担と理想の関係

ミンナ

職場の介護職と看護師の関係性が悪くて。どうすればいいのでしょうか。

みんみか

それぞれの役割やお互いについての理解を深めないと、様々な問題が起こりえます。今回は、上手く連携を図るためのポイントをお伝えします。

介護施設において、利用者の生活を支える上で、介護職と看護師は欠かせない存在です。しかし、両者の間には、専門性や視点の違いから、しばしば摩擦が生じることがあります。

今回は、介護施設で起こる介護職と看護師の衝突の原因と、円滑な連携を実現するための対策について詳しく解説していきます。

目次

介護施設の介護職と看護師は不仲?上手く連携できない理由とは

介護職と看護師が必ずしも不仲というわけではありませんが、職場によっては摩擦が生じる場合もあります。これは、両者の役割の違いや、職場環境、個人の性格など、様々な要因が複雑に絡み合っているためです。

介護施設における介護職と看護師の役割の違い

介護職と看護師は、ともに利用者の生活を支える重要な役割を担っていますが、それぞれの専門性と役割は異なります。

介護職は、利用者の日常生活をサポートすることを主な役割としています。

介護職の役割

  • 食事、入浴、排泄の介助: 日常生活の基本的な動作を支援します。
  • 移動の介助: 車いすや歩行器を使用した移動のサポートを行います。
  • 衣類の着脱の介助: 着替えや身の回りの世話を行います。
  • コミュニケーション: 利用者とのコミュニケーションを通して、心のケアを行います。
  • レクリエーションの企画・実施: 利用者が楽しく過ごせるようなレクリエーションを企画・実施します。

看護師は、利用者の健康状態の管理を主な役割としています。

看護師の役割

  • 健康状態の観察: 血圧測定、体温測定、バイタルチェックなどを行い、健康状態の変化に気づきます。
  • 医療処置の実施: 医師の指示のもと、薬の投与、傷の処置、カテーテルケアなどを行います。
  • 健康相談: 利用者や家族からの健康に関する相談に対応します。
  • 緊急時の対応: 緊急事態が発生した場合、適切な処置を行い、医療機関への搬送などを行います。

介護職と看護師の間に生まれる摩擦の原因

介護職と看護師の間には、様々な要因から摩擦が生じることがあります。

1.役割の違いによる視点の相違

  • 介護職: 利用者の生活全般をサポートする視点から、より人間関係を重視する傾向があります。
  • 看護師: 医療的な視点から、より客観的な判断を重視する傾向があります。

このような異なる視点から、同じ事象に対して異なる意見を持つことがあり、衝突に発展することがあります。

2.仕事量の負担の偏り

人手不足や、利用者の状態の変化などにより、両者の仕事量が偏ってしまうことがあります。

特に、夜勤や休日勤務など、負担の大きい業務が集中してしまうと、不満やストレスが溜まり、人間関係が悪化する可能性があります。

3. 情報共有不足

利用者の状態の変化や、処置内容など、重要な情報が十分に共有されていない場合、誤解やトラブルに繋がる可能性があります。

4. 組織体制の問題

  • 介護職と看護師がそれぞれ別の部署に属しており、連携が取りにくい場合
  • それぞれの職種が、自分の役割に固執し、他の職種の意見を聞き入れようとしない場合

摩擦が生じることで起こりうる問題

介護職と看護師間の摩擦が、介護現場において深刻な問題を引き起こす可能性があります。具体的にどのような問題が生じるのか、詳しく見ていきましょう。

1.利用者へのケアの質の低下

重要な情報が共有されないことで、誤ったケアが行われたり、必要なケアが漏れてしまう可能性があります。

また、それぞれの職種が自分の業務に集中し、連携が不足すると、利用者の状態の変化に対応できず、ケアが断絶してしまうことがあります。

その結果、 職員間の緊張感が利用者に伝わり、不安やストレスを与える可能性があります。

2. 職員の離職率の上昇

人間関係の悪化や、仕事量の増加などにより、職員は強いストレスを感じます。その影響によって、チームワークが機能しなくなり、やりがいを感じられない環境が職員のモチベーションが低下します。

職員間のトラブルが頻発すると、職場全体の雰囲気が悪化し、働きやすい環境ではなくなります。

3. 施設の評判の低下

職員間のトラブルが外部に漏れることで、施設の評判が低下する可能性があります。

職員間の不仲が原因で、ストレスや不満がケアや態度に出てしまい、利用者や家族が不安を感じて他の施設への転院を検討するケースも考えられます。

評判の悪い施設では、優秀な職員を採用することや新規入所者の問い合わせが難しくなります。

4. 医療事故や法的な問題のリスク増加

緊急時など、迅速な連携が必要な場面で、情報共有が遅れたり、連携がうまくいかず、医療ミスにつながる可能性があります。

また、職員間の職員間のトラブルが原因で、利用者への虐待やネグレクトが発生する可能性や職場環境の悪化・ハラスメントなどが原因で、労働問題に発展する可能性があります。

介護と看護の連携を強化し、よりよい職場作りを

介護と看護の連携を強化することは、利用者へのより良いケアを提供するために不可欠です。両者の間の摩擦を解消し、協力体制を築くためには、様々な対策が考えられます。

1. 定期的なミーティングの実施

  • 利用者ごとのミーティング: それぞれの利用者について、定期的に介護職と看護師が集まる時間を設け、その話し合いの中でお互いの視点を理解し、その人のケアの方向性を統一していくが大切です。
  • 多職種連携会議: 介護職、看護師だけでなく、医師、栄養士、理学療法士など、様々な職種が参加する会議を定期的に開催し、情報共有や意見交換を行います。

2. オープンなコミュニケーションの促進

  • 意見交換の場の設定: 意見を言いやすい雰囲気を作り、お互いの意見を尊重し合いながら、協力して仕事を進めるための場を設けます。
  • 非言語コミュニケーションの活用: 表情や身振り手振りなど、言葉以外のコミュニケーションも意識することで、より円滑なコミュニケーションが可能になります。

3. 互いの役割理解のための研修

  • それぞれの職種の役割理解: 介護職と看護師がお互いの仕事内容や役割を理解するための研修を実施します。
  • ケーススタディ: 実際のケーススタディを通して、それぞれの職種の視点で問題解決を図るトレーニングを行います。

4. 情報共有システムの導入

  • 電子カルテの活用: 利用者の情報を共有し、リアルタイムで状態の変化を把握できるシステムを導入します。
  • タブレット端末の活用: 回診や業務中に、必要な情報をすぐに確認できる環境を整えます。

5. 職場環境の改善

  • 働きやすい環境づくり: 職員が働きやすい環境を整えることで、モチベーション向上と離職率の低下を目指します。
  • チームワークの重要性: チームワークの重要性を認識し、お互いを尊重し合う風土を醸成します。
  • ストレスマネジメント: ストレスを軽減するための研修やプログラムを実施します。

6. 外部機関の活用

  • コンサルタントの導入: 外部の専門家に相談し、組織全体の改善策を検討します。
  • 研修プログラムの導入: 外部の専門機関が提供する研修プログラムを活用し、職員のスキルアップを図ります。

これらの対策を複合的に実施することで、介護職と看護師の連携を強化し、より良い介護サービスを提供できるようになります。

重要なのは、一朝一夕に解決できる問題ではないということです。 継続的な取り組みが重要であり、組織全体で協力して取り組むことが求められます。

まとめ:理想的な介護と看護の連携とは

介護職と看護師は、それぞれの専門性を活かしながら、協力して利用者の生活を支えることが大切です。そのためには、お互いの役割を理解し、尊重し合い、オープンなコミュニケーションを図ることが不可欠です。

介護職と看護師が協力して働くことは、利用者にとっても、職員にとっても、そして施設にとっても、非常に重要なことです。お互いの違いを認め合い、協力し合い、より良い介護を目指しましょう

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この記事を書いた人

コミュ障でネガティブなおひとりさま。                    

そんな私も介護業界でかれこれ10年以上。憂鬱な日々を送りながら、生きづらい世の中で奮闘中。

人間関係によるストレスからの休職、短期間で転職を繰り返した経験を基に、幸せになる方法を発信中。

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