介護職の給料は安いと言われていますが、実際はどのくらいなのでしょうか。
今回は、介護職の平均給与額を踏まえて、給料アップを目指す方法についてご紹介します。
介護職は、社会貢献度の高い仕事として注目されています。しかし、多くの人が気になるのが「給料」ですよね。 「介護職の給料は低い」「将来性はあるの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回は、介護職の給料に関する疑問を解決するため、以下の内容を詳しく解説していきます。
介護職の給料に関する現状とは…
介護職の給料は、近年、少しずつ上昇傾向にあるものの、他の職業と比較すると依然として低い水準であると言われています。これは、介護業界が抱える慢性的な人材不足が大きな要因の一つです。
まずは、介護業界の給与水準の現状と、今後の見通しについて解説します。
介護職の平均月給は?
介護職の平均年収は、資格、経験年数、勤務先などによって大きく異なります。介護職員の平均給与は、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、常勤で31万8,230円です。
しかし、これはあくまでも平均値であり、施設や地域によって大きな差があります。例えば、都市部の大規模な病院や特別養護老人ホームでは、地方の中小規模施設と比べて給与が高い傾向にあります。
また、資格の有無も給料に大きく影響します。介護福祉士などの資格を持っていると、資格を持っていない人に比べて、平均年収は高くなります。
区分 | 平均月給 |
---|---|
介護福祉士(全体) | 336,000円 |
介護福祉士(経験年数1~4年) | 312,960円 |
介護福祉士(5~9年) | 324,350円 |
介護福祉士(10年以上) | 358,87円円 |
実務者研修 | 302,430円 |
初任者研修 | 300,240円 |
介護老人福祉施設(特養) | 347,520円 |
介護老人保健施設(老健) | 338,280円 |
通所介護(デイサービス) | 276,680円 |
介護職の給料が低い理由
介護職の給料が低いとされる理由は、複合的な要因が絡み合っています。主な原因としては、以下の点が挙げられます。
- 介護保険制度に基づいて介護サービスの対価が決められていますが、この報酬額に上限があるため、施設の収入が限られてしまいます。
- 介護報酬の見直しは行われていますが、人件費を大幅に増やすほどの増額にはつながっていないのが現状です。
- 介護施設の経費の中で、人件費が占める割合は非常に大きいです。そのため、人件費を増やすと、他の経費が圧迫され、施設の経営が困難になる可能性があります。
- 介護職は、非正規雇用で働く人が多いのが特徴です。非正規雇用は、一般的に正規雇用と比べて給与が低く、福利厚生も充実していないことが多いです。
- 介護福祉士、実務者研修修了者、初任者研修修了者など、資格の種類が多く、資格によって給与に差が生じるため、全体としての平均値が低くなる傾向があります。
- 長時間労働、夜勤、肉体的な負担など、労働環境が厳しく、離職率が高いことが要因の一つです。
- 離職率が高いということは、人材育成にコストがかかることになり、結果的に賃金抑制につながる可能性があります。
- 介護職は、他の職業と比較して社会的な評価が低い傾向にあります。そのため、人材の確保が難しく、賃金交渉において不利な立場に立たされることがあります。
給与水準の低い介護職ですが、近年の高齢化社会においてますます重要性が増しており、社会貢献度の高い職業として認識されるようになりました。
介護現場の現状や問題点がメディアで取り上げられるようになり、介護職員の人材確保のためには待遇改善が不可欠であるという認識が広がっています。
自分に合った方法で給料アップを目指そう!
介護職の給料を上げるには様々な方法があります。自分に合った方法を選び、積極的に取り組むことで、給与アップを実現できる可能性が高まります。今回は4つの方法についてご紹介します。
1. 資格を取得する
- 介護福祉士: 介護の専門職として最も一般的な資格です。取得することで、給与アップだけでなく、キャリアアップのチャンスも広がります。
- 社会福祉士: 介護福祉士よりも幅広い知識とスキルが求められる資格です。
- ケアマネジャー: 利用者のケアプランを作成し、サービス提供を調整する役割を担います。
これらの資格を取得することで、資格手当が支給されたり、より高度な業務に携われるようになったりすることで、給与アップにつながります。
2. キャリアアップを目指す
- リーダー職: チームをまとめ、指導する役割を担います。
- 管理職: 施設全体の運営に関わる責任のあるポジションです。
リーダー職や管理職に昇進することで、役職手当が支給され、給与がアップします。また、より幅広い業務に携わることで、自身のスキルアップにもつながります。
3. 転職をする
- より高い給与の施設へ転職: 大規模な病院や特別養護老人ホームなど、給与水準が高い施設へ転職することも一つの方法です。
- 地域を変える: 都市部への転職も検討してみましょう。
- 転職エージェントを活用: 介護専門の転職エージェントを利用することで、自分に合った求人を紹介してもらえます。
4. 副業
- 介護のスキルを活かした副業: 在宅介護支援や介護相談など、介護のスキルを活かせる副業があります。
- 他の分野での副業: 自分の興味のある分野で副業をすることで、収入を増やすことができます。
介護職の給料は、これまで低い水準でしたが、近年は政府の施策や社会全体の意識の変化により、徐々に改善されてきています。
介護業界の動向は常に変化しています。最新の情報を収集し、自分に合った働き方を見つけるようにしましょう。また、自分の興味関心やスキルに合わせたキャリアパス設計や労働環境の良い施設を選ぶことも大切です。
まとめ:介護職の将来性は明るい!
介護職の給料は、他の職業と比較すると低い水準であるものの、近年は少しずつ改善されてきています。しかし、人材不足が深刻な状況であり、さらなる待遇改善が求められています。
介護職の給料は、資格、経験年数、勤務先などによって大きく異なります。しかし、資格を取得したり、キャリアアップを目指したりすることで、給料を上げることは可能です。
介護の仕事は、やりがいのある仕事であると同時に、社会貢献にもつながる仕事です。給料アップを目指して積極的にチャレンジしてみてください。