介護職のカスハラ対策!具体的な事例と解決策を解説

ミンナ

最近、カスハラという言葉をよく聞くようになりましたが、介護業界でも多いのでしょうか。

みんみか

直接的に人を相手にするサービスを提供する介護現場でも、カスハラが問題となっています。カスハラは絶対に許してはいけません。

近年、介護現場におけるカスタマーハラスメントは、深刻な社会問題として注目されています。利用者や家族からの暴言、暴行、無理な要求など、介護職員は日々、様々なハラスメントに晒されています。これらの行為は、介護職員の心身に大きな負担をかけ、結果としてサービスの質低下や離職につながる可能性も孕んでいます。

今回は、介護現場で起こるカスタマーハラスメントの実態と、それに対処するための具体的な対策について解説します。

目次

介護現場のカスハラ:こんなことが起こっている!

カスハラとは、カスタマーハラスメントの略で、顧客からの要求内容や要求態度が社会通念に照らして著しく不当であるクレームや顧客からの迷惑行為のことを指します。

介護現場におけるカスハラとはどのような内容なのか、その原因とはなにかについてお伝えします。

介護現場におけるカスハラの具体例

介護現場では、利用者本人やその家族から、介護職員に対して以下の様な行為が行われることがあります。

暴言・罵倒

「お前は仕事ができない」「こんなこともできないのか」など、職員に対して侮辱的な言葉をかける。

「もっと早くしろ」「なんでできないんだ」など、理不尽な要求を大声で叫ぶ。

身体的な攻撃

職員を殴る、蹴るなどの物理的な攻撃を行う。

物を投げつける、引っ掻くなどの行為を行う。

無理な要求

介護職員の業務時間外にサービスを求めたり、不可能な要求をしたりする。

介護計画にないサービスを要求する。

プライバシーの侵害

職員の私生活に干渉したり、個人情報を漏らしたりする。

職員の携帯電話に無断で電話をかけたり、SNSで誹謗中傷を行う。

差別的な言動

性別、年齢、国籍などに対する差別的な発言をする。

特定の職員に対して嫌がらせをする。

要求の繰り返し

同じことを何度も繰り返し要求する。

要求が満たされない場合、さらにエスカレートする。

職員への不信感の表明

職員の能力や誠意を疑うような言動をする。

職員の仕事ぶりを監視するような態度をとる。

これらの行為は、介護職員の心身に大きな負担をかけ、結果としてサービスの質低下離職につながる可能性があります。

カスハラが発生する原因とは

介護現場でカスハラが発生する原因は、多岐にわたります。利用者様やご家族、そして介護現場の環境など、様々な要因が複雑に絡み合っていると言えるでしょう。

利用者様やご家族側の要因

  • 介護サービスへの不満: 介護サービスの内容や提供時間に不満があり、それを職員にぶつける。
  • 介護者のストレス: 介護者の介護負担が大きく、ストレスが溜まっている。
  • 認知症による言動: 認知症により、意図せず暴言を吐いたり、攻撃的な行動をとったりする場合がある。
  • 性格的な問題: 本来、攻撃的な性格の人がいる。

介護現場側の要因

  • 人員不足: 人員不足により、質の高いサービスが提供できず、利用者様やご家族の不満が募る。
  • コミュニケーション不足: 利用者様やご家族とのコミュニケーションが不足し、お互いの理解が深まらない。
  • 職員の教育不足: ハラスメント防止に関する教育が不十分で、職員が適切に対応できない。
  • 職場環境の悪化: 職員間の人間関係が悪化したり、職場にストレスが溜まったりすることで、職員がイライラし、利用者様やご家族に当たってしまう。

社会的な要因

  • 高齢化の進展: 高齢化が進み、介護が必要な人が増えるにつれて、介護現場の負担が増加している。
  • 介護に対する誤解: 介護サービスに対する誤解や偏見が広まっている。
  • 社会全体のストレスの高まり: 社会全体がストレスを抱えやすくなっている。

カスハラから身を守るための対策・対処法

介護現場で発生するカスハラから身を守るためには、個人の努力だけでなく、施設全体の取り組みが重要です。以下に、カスハラから身を守るための5つの対策と対処法について具体的にご紹介します。

カスハラから身を守るための5つの対策

1.ハラスメント防止に関する研修の実施

ハラスメントの種類や事例を学ぶ: 暴言、暴行、セクハラなど、さまざまなハラスメントの種類と具体的な事例を学ぶことで、ハラスメントに気付きやすくなります。

ハラスメントを受けたときの対処法を学ぶ: ハラスメントを受けた場合に、どのように対応すれば良いのかを学ぶことで、適切な行動が取れるようになります。

ハラスメント防止に関する法規を学ぶ: 関連する法律や条例を学ぶことで、自分の権利を守ることができます。

2. 相談窓口の設置

匿名で相談できる窓口を設置する: 職員が安心して相談できるよう、匿名で相談できる窓口を設置します。

相談を受けた際の対応マニュアルを作成する: 相談を受けた際に、どのように対応すれば良いのかを明確にするため、マニュアルを作成します。

3. マニュアルの作成と周知

ハラスメント防止に関するマニュアルを作成する: ハラスメント防止に関する規定、相談窓口、対応手順などをまとめたマニュアルを作成します。

全職員に周知徹底する: 作成したマニュアルを全職員に配布し、内容を理解してもらうようにします。

4. 関係機関との連携

地域の保健所や労働基準監督署など、関係機関との連携を強化する: 必要に応じて、これらの機関に相談したり、支援を求めたりすることができます。

弁護士や産業医の相談窓口を設ける: 法的な問題が発生した場合や、心のケアが必要な場合は、弁護士や産業医に相談することができます。

5. 法律・条例に基づいた対応

ハラスメント防止に関する法律や条例を遵守する: 関連する法律や条例に基づいて、適切な対応を行います。

必要に応じて、法的措置を取る: 状況によっては、法的措置を取ることも検討します。

カスハラが発生した場合の対処法

介護現場でカスハラが発生してしまった場合、どのように対処すればよいのか、対処法について具体的にご紹介します。

1. 記録を残す

日時、場所、内容: いつ、どこで、どのようなハラスメントを受けたのかを詳細に記録します。

関係者: 誰が、どのような言葉や行動でハラスメントを行ったのかを具体的に記載します。

証拠の確保: 可能であれば、音声録音、動画撮影、メールのやり取りなど、証拠となるものを残します。

2. 上司に報告する

直ちに報告: ハラスメントに気づいたら、すぐに上司に報告します。

事実関係を伝える: 記録した内容に基づいて、事実関係を正確に伝えます。

具体的な対応を求める: 上司に対して、具体的な対応を求めます。

3. 相談窓口を利用する

社内の相談窓口: 会社内に相談窓口があれば、匿名で相談することができます。

外部の相談窓口: 労働組合や弁護士会、行政機関などの外部の相談窓口を利用することもできます。

4. 証拠の保存

安全な場所に保管: 記録や証拠は、安全な場所に保管し、紛失や改ざんを防ぎます。

第三者に渡す: 必要に応じて、弁護士や労働組合などに証拠を渡します。

5. 法律相談

弁護士に相談: 弁護士に相談することで、法的観点からアドバイスを受けることができます。

労働組合に相談: 労働組合に相談することで、団体として交渉を行ってもらうことができます。

6. 精神的なケア

心のケア: ハラスメントを受けたことで、心身にダメージを受けている場合は、産業医やカウンセラーに相談し、心のケアを受けることが大切です。

同僚や友人: 信頼できる同僚や友人に相談することで、心の支えを得ることができます。

7. 警察への相談

暴行などの場合は: 暴行や脅迫などの犯罪行為に該当する場合は、警察に相談します。

8. 会社への要望

再発防止策: 会社に対して、再発防止策の導入を要望します。

加害者への処分: 加害者に対する適切な処分を求めます。

カスハラは決して許される行為ではありません。一人で抱え込まずに、周囲の人や専門機関に相談し、適切な対処を行うことが大切です。

注意事項

  • 安全を第一に: 危険な状況にある場合は、まずは身の安全を確保してください。
  • 証拠をしっかりと: 証拠となるものは、できるだけ多く残しておきましょう。
  • 専門家の力を借りる: 弁護士や労働組合など、専門家の力を借りることも検討しましょう。
  • 諦めない: カスハラに屈せず、最後まで諦めずに戦いましょう。

まとめ:安心安全な職場環境を作るために

介護現場におけるカスハラは、決して許される行為ではありません。職場全体でハラスメント防止に取り組み、安心して働ける環境を作る必要があります。

カスハラは、被害者だけでなく、職場全体の雰囲気を悪化させ、ひいてはサービスの質低下にもつながる深刻な問題です。カスハラに遭われた方は、一人で悩まずに、まずは信頼できる人に相談し、適切な対処を行いましょう。

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この記事を書いた人

コミュ障でネガティブなおひとりさま。                    

そんな私も介護業界でかれこれ10年以上。憂鬱な日々を送りながら、生きづらい世の中で奮闘中。

人間関係によるストレスからの休職、短期間で転職を繰り返した経験を基に、幸せになる方法を発信中。

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